機関誌の要約情報を掲載します

題目
リスニング・コンプリヘンションにおけるタイトルの親近性の効果―日本の大学教養課程一英語教科書 20ユニット・タイトルの効果の分析―
概要
Familiarityのなかの「情的側面」を確認し、日本の大学(英語)教科書20のユニット・タイトルのイメージを測定するために、10の形容詞対、7件法のアンケート調査が行われた。
調査協力者は3つの題材をそれぞれ2回聞いた後、6問と16問のTFテストに答えた(2分、5分、5分)。次に、調査協 力者は三つの題材についてテストまでに有する知識を調査する7件法のアンケートに回答した。特に、因子分析で発見された情的測面の因子は「親近性 (closeness)」と命名され、既知感 (familiarity)のなかの下位概念の一つとして位置づけられた。第1位のタイトル、最下位のタイトル、第3位のタイトルは、「高親近タイト ル」、「低親近タイトル」並びに「トレーニング用タイトル」として採用された。
結果は高親近タイトルが低親近タイトルに対して統計的に有意に優れていること、タイトルの親近性の学力(第1回TOEIC Half テスト得点)に対する主効果、タイトルの親近性と学力(同左)間には交互作用はなく、高親近タイトルのTFテスト得点とテスト前知識の間には相関がないことを示した。

第9巻

第2号
著者
早田武四郎
【キーワード】
familiarity(既知感)のなかの「情的側面」,教科書ユニット・タイトルの「イメージ」調査,聴取によるTFテスト,familiarityのなかのknowledge(知識)とcloseness(親近性),大学教養英語教育